「そこへ下女が床(とこ)を延べに来る。広い蒲団を一枚しか持って来ないから」 ↑いわゆるダブルベッドサイズ?日本の布団にもダブルサイズというのはあったのでしょうか?
「がらんがらんという音がした。小供に見舞(みやげ)の玩具(おもちゃ)が鳴ったに違ない。」 ↑齋藤孝先生なら、それを会話の糸口にしろ、と言うでしょう。折角のチャンスをスルーしてしまった。
■[自己啓発]「雑談力検定」公式本!?雑談力が上がる話し方
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20131014/p1「「あなたはよっぽど度胸のない方(かた)ですね」といって、にやりと笑った。」 ↑姦通罪もある当時、かなりきわどいセリフでは?当時、批判の声が上がらなかったのだろうか。
「あなたはよっぽど度胸のない方(かた)ですね」 ↑「草食系男子が日本を滅ぼす」論者であり肉食系女子である姫野友美先生なら、
「肉を食べなさい!」と言うかもしれません。
■[健康]無批判な肉食系肯定・草食系否定に−1点
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20141004/p1「あなたはよっぽど度胸のない方(かた)ですね」 ↑夫も子どももいるので、当時としてはもう“おばちゃん”でしょう。
法に触れるかもしれないし、度胸があるのはこの女の方です。
しかし、ここは小説的な脚色があるのでしょう。
普通の女性なら
「あなたはよっぽどつまらない人ですね」
と言うのではないでしょうか。
「度胸のない」だけならまだマシです。
「つまらない方」と言われたらショックでしょう。
女と三四郎の間には、そもそもほとんど会話が成立していない。
長い間汽車で一緒になって一晩同宿したにかかわらず。
女にとっては、話し相手にすらならなかったのです。
同宿したのが三四郎でなく、汽車に乗っていた爺さんだったとしたらどうでしょう。
爺さんは体こそ衰えていますが、立派に女の話し相手になっていたことでしょう。
■[日々の冒険]喫茶店で2時間もたない男とはつきあうな!
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130610/p1 物語はその後、三四郎の片思いが主要なテーマになります。
だから漱石は女に「度胸のない方」と言わせたのでしょう。
しかし、その後の三四郎の交友関係・人間的成長の面から見ていくと、「つまらない方」と読み替えることもできるのです。
かなり三四郎に対して辛辣な指摘でしたが、実は私は三四郎に自分自身を投影しています。
私も実りある会話が苦手だし、会話がつまらないと言われたことあります。
私が私自身を「つまらない奴」と自己否定しているわけです。
「三四郎」を読むと、三四郎の中に自分自身を見て、どうにもいたたまれなくなって赤面してしまうのです。
「ただ筋向(すじむこ)うに坐った男が、自分の席に帰る三四郎をちょっと見た。」 ↑汽車の座席にこだわります。
この記述では、4人掛けクロスシートで向かい合っているには近すぎるように思えます。
筋向こうのクロスシートの向かい合う位置にいる、ということなのでしょうか。
「三四郎はこの男に見られた時、何となく極りが悪かった。」 ↑何かが始まる予感!?三四郎の直観力。広田先生の存在感。
「読んでも解らないベーコンの論文集が出た。」 ↑当時の大学新入生はこんな本持ってたのか。現代人は恥ずかしくないのか……。
と、私もそんな偉そうなこと言えないのだった。
「どうも、ああ狼狽(ろうばい)しちゃ駄目だ。」
「もう少しは仕様があったろう。」 ↑私もこんな風に後から後悔することがよくあります。
「三四郎は急に気を易(か)えて、別の世界の事を思出(おもいだ)した。――」 ↑落ち込んだ時は別のことを考える。これは鉄則。
しかし、逃避して根本解決できないという副作用も。時には直視して徹底的に考えることも必要。
「すると筋向うにいたさっきの男がまた三四郎の方を見ていた。」 ↑広田先生はなぜ三四郎を見ていたのでしょうか。偶然?
それとも、三四郎に何か人をひきつける雰囲気があるのでしょうか?
「大きな未来を控えている自分から見ると、何だか下(くだ)らなく感ぜられる。」
「これより先もう発展しそうにもない。」 ↑ユーモア(笑い)を誘う表現ですが、真面目に受け取ると失礼な表現。
こんなこと思ってると足元をすくわれます。
「男はもう四十だろう。」 ↑私が作中から受け取ったイメージでは、50くらいかと思ってました。
果たして正確な年齢は後出するのでしょうか?
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posted by うらなり三四郎 at 20:51|
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