2015年04月02日

『それから』についてつぶやいた

朝日新聞で連載中の夏目漱石『それから』。
時々感想をつぶやくつもりです。



 ↑参加しています。応援よろしくお願いします。






「先生は一体何をする気なんだろうね。小母(おば)さん」
「いいつもりだなあ。僕も、あんな風に一日(いちんち)本を読んだり、音楽を聞きに行ったりして暮していたいな」

 ↑……とは長井代助の家の居候書生・門野の弁。
 門野自身、
「学校へも行かず、勉強もせず、一日ごろごろしている。」
と書かれています。
“高等遊民”と“書生”の違いは、資産の有無なんでしょうか。





「僕からいわせると、これほど憐(あわ)れな無経験はないと思う。」
 ↑いわば、「貧乏暇なし」状態を上から目線で批判しているような発言。
 資産があって生活に困らない状態でないとこんなこと言えません。





「平岡の語る所は、ざっとこうであるが」
 ↑社内遊泳術や出処進退など、生々しい。
 社会人を描いているだけに、気楽な学生生活を描いた『三四郎』より生々しいのです。


「代助には彼が支店長から因果を含められて、所決を促がされたようにも聞えた」
 ↑こういった部分にミステリーが潜んでいます。
 執筆予定の【『それから』殺人事件】ではこの辺の謎に迫りたい。
 先に描ける方がおられましたら、お先にどうぞどうぞ。


「代助には彼が支店長から因果を含められて、所決を促がされたようにも聞えた」
 ↑浮世離れしているように思えて、人間観察力・推理力は鋭い。
 『高等遊民安楽椅子探偵・長井代助の事件簿』執筆予定。
 先に書ける方がいらしたら、お先にどうぞどうぞ。

 



「そうかと思うと易断(うらない)に非常な興味を有(も)っている。石龍子(せきりゅうし)と尾島(おじま)某(なにがし)を大いに崇拝する。代助も二、三度御相伴(おしょうばん)に、俥(くるま)で易者(えきしゃ)の許(もと)まで食付(くっつ)いて行った事がある。」
 ↑これは興味深い記述です。
 注にあるように、石龍子とは著名な観相家ですが、尾島某という方が分かりません。


石竜子(初代) ?−1812 江戸時代中期-後期の観相家。
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posted by うらなり三四郎 at 20:10| Comment(0) | TrackBack(0) | それから | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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